海外の人材紹介会社の決定はどこから生まれるか|88,000件のデータと掘り起こし
スカウト媒体や求人媒体の費用は、人材紹介会社にとって大きな固定費です。海外では、媒体の値上がりを見込んで、すでに持っている候補者データからの掘り起こしと、紹介(リファラル)を伸ばそうとする動きがはっきりしてきました。88,000件の決定を分析したStaffingHubのデータを読み、日本の人材紹介・RPOで同じことを始めるときの手順を整理します。
この記事の要点
- 海外の人材紹介会社の決定は、求人媒体が平均24%、自社の候補者データベースからの掘り起こしが平均16%で3番目の経路です(StaffingHub、88,000件の決定を分析)。
- 76%の会社が今後1年で求人媒体の料金が上がると見込み、57%が掘り起こしを増やす予定です。
- 紹介(リファラル)は23%の会社が最も費用対効果が高い経路に挙げる一方、仕組みとして回せている会社は24%だけです。
海外の人材紹介会社の決定は、どの経路から生まれていますか?
求人媒体が平均24%で最も多く、自社の候補者データベースからの掘り起こしが平均16%で3番目です。StaffingHubが88,000件の決定と、求職者1,500人への調査をもとにまとめた数字です。
| 経路 | 数字 | 読み方 |
|---|---|---|
| 求人媒体 | 決定の平均24% | 量を生む中心の経路 |
| 自社データベースからの掘り起こし | 決定の平均16%(3番目) | 費用をかけずに決定を生む経路 |
| 紹介(リファラル) | 23%の会社が「最も費用対効果が高い」と回答 | 質が高いが、仕組み化が遅れている |
ここでいう掘り起こし(rediscovery)は、以前に登録・接触した候補者を、新しい案件に合わせて探し直すことです。新しく媒体で探すより、相手がすでにこちらを知っている分、返信が来やすいと考えられています。
なぜ海外で掘り起こしが注目されているのですか?
媒体の値上がりが見込まれるなかで、費用のかからない自社の経路を増やしたいからです。76%の会社が今後1年で求人媒体の料金が上がると見込んでいます。
- 57%の会社が、掘り起こしを増やす予定と答えています。
- 79%の会社が、求人媒体経由で採用された人の定着は平均と同じかそれ以下と答えています。
- 媒体をやめるのではなく、媒体に頼る割合を下げる、という方向です。
紹介(リファラル)はどう回せばいいですか?
紹介を受けたら必ず記録し、紹介してくれた人に結果を返す、を決まった手順にします。海外では91%の会社に何らかの紹介の仕組みがある一方、自動化・高度化できているのは24%で、52%は簡単・非公式な運用にとどまっています。
- 紹介の出どころを残す: 誰から紹介されたかを候補者の記録に入れます。あとから経路ごとの決定数を数えられます。
- 紹介してくれた人に結果を返す: 面談した・推薦した・決まった、を短く伝えます。次の紹介につながります。
- 決まった人に、次の紹介をお願いする: 入社して落ち着いた頃に、同じ職種の知り合いを聞きます。
StaffingHubは、紹介の割合が高い会社ほど、担当者1人あたりの年間の決定数が多い傾向があると報告しています。
日本の人材紹介・RPOで掘り起こしを始めるには?
最終接触日・前回の結果・対象から外した理由の3つを記録し、案件が来たら条件で探し直せる状態にします。
- 記録を1か所に集める: 媒体ごと・担当者ごとに分かれた送信の記録を、候補者ごとに1つにまとめます。
- 声をかけ直すきっかけを決める: 合う案件が来たとき、勤め先に変化があったとき、決めた期間が過ぎたとき。詳しくは過去の候補者の掘り起こし。
- 経路ごとに数える: 決定がどの経路(媒体・掘り起こし・紹介)から来たかを毎月数え、媒体費と見比べます。
- 連絡を断った人は外す: 掘り起こしの対象から、配信の停止を求めた人を確実に除きます。
AIやツールの効果は、どう確かめればいいですか?
経路ごとの決定数を、導入の前後で比べます。海外では83%の会社が集客にAIや自動化を使っている一方、48%は「効果はまだ分からない」と答えています。
道具を入れる前に、経路ごとの決定数と媒体費を3か月分残しておくと、入れたあとに効果を確かめられます。人材紹介のKPI もあわせて見てください。
ChordOne Sourcingでの掘り起こし
ChordOne Sourcingは、LinkedIn・ビズリーチなどで保存した人・送った・返った・面談した(人材紹介なら推薦した)を、1つの候補者データにまとめます。案件との一致度・現職の会社の動き・返信から、次に連絡する人とやることを理由と一緒に提案するので、案件が来るたびに一から探し直さずに済みます。Excelの候補者リストはCSVで取り込めます。いまは期間限定で、すべての機能が無料です。候補者CRM
よくある質問
掘り起こし(rediscovery)とは何ですか?
以前に登録・接触した候補者を、新しい案件に合わせて探し直し、もう一度連絡することです。媒体で新しく探すより、相手がこちらを知っている分、返信が来やすいと考えられています。
海外のデータは、日本の人材紹介にも当てはまりますか?
媒体の種類や商習慣が違うため、数字をそのまま当てはめることはできません。ただし、媒体費が上がるなかで自社の候補者データと紹介を伸ばす、という方向は、日本の人材紹介・RPOでも取り入れやすい考え方です。
求人媒体を減らすべきですか?
海外でも、媒体をやめるのではなく、媒体に頼る割合を下げる方向です。まず経路ごとの決定数を数え、掘り起こしと紹介で決まる割合を増やしてから、媒体費を見直すのが安全です。
参考資料
- StaffingHub「Which Sourcing Channels Actually Deliver for Staffing Agencies? New Data from 88,000 Placements」
- Bullhorn「GRID 2026 Industry Trends Report」(人材業界の約2,300人に調査)