海外の手法・トレンド

海外の人材紹介会社はAIエージェントに何を任せているか|2026年の調査から

2026年、海外の人材紹介の業界では「AIエージェント」が話題の中心になりました。AIエージェントは、指示を1回出すと複数の手順を続けて進めるソフトウェアのことで、文面を書くAIから、送る・追いかける・記録するまで進めるAIへ、という流れです。では、海外の紹介会社は実際に何を任せ、何を人の手に残しているのでしょうか。公開された調査の数字から整理し、日本の人材紹介・RPOの現場で取り入れるときの順番を考えます。

この記事の要点

  • 海外の人材紹介会社の調査では、AIエージェントを実際に使っている担当者は38%、試した人まで含めると62%です(Atlas、2026年7月)。
  • 任されている仕事は、スカウトの送信と追いかけ(50%)と、ATS・CRMへの入力(25%)が中心です。
  • スカウトの文面は「AIが下書きし、人が確かめてから送る」を81%が望んでおり、送信まで任せたい人は5%にとどまります。

海外の人材紹介会社で、AIエージェントはどのくらい使われていますか?

実際に使っている担当者は38%、試したことがある人まで含めると62%です。人材紹介会社の1,000人超に聞いたAtlasの調査(2026年7月公開)の数字です。

調査数字意味
Atlas(紹介会社1,000人超)38%が実際に使用、24%が試験的に使用、29%が半年以内に使う予定使っている人はもう少数派ではない
Bullhorn GRID 2026(約2,300人)AIエージェントの段階まで進んだ会社は30%。前年に多かった「生成AIを試すだけ」は52% → 29%1年で「試す」から「仕事に組み込む」へ
Bullhorn GRID 2026業務の流れ全体にAIが組み込まれている会社は10%全面的に使えている会社はまだ少ない
LinkedIn(2026年1月)採用担当の93%が2026年にAIの利用を増やす予定企業側の採用担当も同じ方向

数字から見えるのは、「使うかどうか」の段階は終わり、「どこまで任せるか」を決める段階に入ったということです。

何を任せていますか?

スカウトの送信と追いかけ(50%)、ATS・CRMへの入力(25%)、候補者探し(21.4%)が中心です。量が多く、手順が決まっていて、判断をあまり要しない仕事から任されています。

  • スカウトの送信と追いかけ(50%): 返信が無い人への2通目・3通目など、続けることが成果に効く仕事。
  • ATS・CRMへの入力(25%): 面談のメモ、候補者の情報の更新。Atlasの別の調査(2026年版ベンチマーク)では、AIを使っている仕事の1位も事務と入力でした。
  • 候補者探し(21.4%): 求人に合う人を広く探す。
  • 報告とパイプラインの確認(3.6%): 量が少なく、手で見ても済むため、任せる人は少数。

Bullhornの調査でも、担当者が一日でいちばん時間を使っているのは候補者探しで、次が書類の確認です。多くの担当者が、AIでこの2つにかかる時間が26〜75%減ったと答えています。

人が手放さない仕事は何ですか?

候補者に届く文面を送る前の確認です。スカウトについて、81%が「AIが下書きし、人が確かめてから送る」を望み、確認なしで送らせてもよいと答えたのは5%でした。

スカウトの任せ方割合
AIが下書き → 人が確かめてから送る81%
AIが下書きして送る → あとで通知7%
文面はすべて人が書く・承認する7%
AIに自由に送らせる5%

不安の1位は「採用企業や候補者との関係を損なうこと」(49%)、2位は「候補者に機械的・不正確な文面が届くこと」(30%)でした。確認なしで任せてよい仕事の1位はATS・CRMの記録の更新(53%)で、初回のスカウトと追いかけは、ともに35%と最も低い結果です。

つまり、海外の紹介会社がAIに任せているのは「関係を作る前後の作業」で、関係そのもの(誰に・何を・いつ送るか)は人が持っています。AIの出力をそのまま使う人は2%だけで、90%は手を入れてから使っています。

日本の人材紹介・RPOで取り入れるなら、どの順番がよいですか?

記録の入力 → 文面の下書き → 追いかけの管理、の順に進め、送るかどうかの判断は人に残します。海外で任されている順番と、日本の媒体の事情の両方に合う進め方です。

  • 1. 記録の入力から任せる: 誰に送ったか、返信が来たかを手で書き写す作業をなくします。確認なしで任せてよい仕事の1位が記録の更新であることとも合います。
  • 2. 文面は下書きまで: 候補者の経歴に触れた下書きをAIが作り、担当者が直して送ります。スカウトメールの例文も下書きの土台に使えます。
  • 3. 追いかけは「次にやること」として並べる: 返信が無い人・返信が来たのに止まっている人を毎朝一覧で見て、人が判断して送ります。
  • 媒体の規約を確かめる: スカウト媒体やSNSの多くは、利用規約で自動での送信や情報の収集を制限しています。海外の「自動で探して自動で送る」道具をそのまま日本の媒体に当てはめる前に、各媒体の規約を確かめてください。

効果はどう測ればいいですか?

AIを入れる前の数字を残し、返信率・面談数・推薦数を同じ定義で比べます。海外でも、AIを使っている会社ほど数字が伸びていると報告される一方、効果を測れていない会社が多いことが課題になっています。

Bullhornの調査では、2025年に売上を25%以上伸ばした会社の78%がATSに組み込まれたAIを使っており、売上が10%以上減った会社では51%でした。ただし、これはAIを使ったから伸びたという因果を示すものではありません。自社で確かめるには、人材紹介のKPI のように指標の定義を決め、導入の前後で比べるのが確実です。

ChordOne SourcingでのAIの使い方

ChordOne Sourcingは、海外の紹介会社が「任せている」仕事と「人が持つ」仕事の線引きに沿って作っています。Chrome拡張はLinkedIn・ビズリーチなどで開いているページを読み、送った・返ったを候補者ごとに自動で記録します。文面はたたき台を出すだけで、送るかどうかは担当者が決めます(自動では送りません)。案件との一致度・会社の動き・返信から、次に連絡する人とやることを理由と一緒に並べます。いまは期間限定で、すべての機能が無料です。RPO・ソーシング代行の方へ

よくある質問

AIエージェントとは何ですか?

指示を1回出すと、複数の手順を続けて進めるソフトウェアのことです。文面を書くだけのAIと違い、探す・送る・追いかける・記録するまで続けて進めます。どこまで任せるかは、使う側が決めます。

AIエージェントを使うと、紹介会社の人数は減りますか?

Atlasの調査では、44%が「若手は減り、経験者は増える」と答え、「全体で大きく減る」と「ほぼ変わらない」がともに28%でした。「人数が増える」と答えた人はいませんでした。予測であり、結果はまだ分かりません。

スカウトをAIに自動で送らせてもよいですか?

海外の紹介会社でも、確認なしで送らせたい人は5%にとどまります。媒体の規約で自動送信が制限されていることも多いため、下書きはAI、送るかどうかの判断は人、という分け方をおすすめします。

参考資料

記事の内容に誤りを見つけたら、お問い合わせからお知らせください。確認して直し、更新日を改めます(編集方針)。