AIで書かれた職務経歴書が増えたとき、推薦の根拠はどう確かめるか|海外の2026年調査から
生成AIで職務経歴書やプロフィールを整える人が増え、海外では「書類がうまく書けていても、中身が本当か分からない」という声が採用の現場で大きくなっています。候補者を採用企業に推薦する人材紹介会社にとっては、推薦の根拠そのものが問われる変化です。海外の2026年の調査から現状を整理し、推薦で根拠を確かめる方法を考えます。
この記事の要点
- 米国の採用担当1,428人の調査では、53%が「見る職務経歴書・プロフィールのすべてか大半がAIで書かれている」と答えています(TestGorilla、2026年)。
- 57%が「職務経歴書のスキルが本当かを確かめること」を採用の上位3つの課題に挙げ、最も多い回答でした。
- 人材紹介の推薦では、文章のうまさではなく、面談で確かめた事実と、要件ごとの根拠を書くことが価値になります。
海外では、AIで書かれた職務経歴書はどのくらい増えていますか?
米国の採用担当の53%が、見る職務経歴書・プロフィールのすべてか大半がAIで書かれていると考えています。TestGorillaが米国の採用担当1,428人に聞いた2026年の調査です。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 職務経歴書のスキルが本当かを確かめることが、上位3つの課題 | 57%(最も多い回答) |
| 見る職務経歴書・プロフィールのすべてか大半がAIで書かれている | 53% |
| AIのスキルを書いた候補者の実力が、書かれていたより弱かった(よく・ほぼいつも) | 54% |
| AIで候補者を見つける速さが上がった | 72% |
| AIで「合う人を見つけた」という確信が下がった | 18% |
同じ調査は、AIで探す速さは上がったものの、確信は必ずしも上がっていない、とまとめています。
採用企業は、何を信頼するようになっていますか?
書類の文章より、確かめられた事実と、人を介したつながりです。LinkedInの2026年のレポートは、「信頼」が採用担当の話題で最も多い採用の公正さの論点になり、前年の2倍に増えたと報告しています。
- スキルの確認が、職務経歴書に代わって最も信頼される情報になる、と考える採用責任者が多い。
- 共通のつながり・推薦・コメントなどの人を介した情報が、採用の判断でより使われるようになる。
- 紹介(リファラル)や仕事上のつながりが、情報の多さに埋もれないための手段として重視される。
(LinkedIn「Future of Talent Report 2026」。従業員1,000人超の企業の人事・採用責任者771人への調査)
人材紹介の推薦では、何を変えればいいですか?
職務経歴書の要約ではなく、面談で確かめた事実を、求人の要件ごとに書きます。書類がAIで整えられるほど、紹介会社が面談で確かめた内容の価値が上がります。
- 要件ごとに根拠を1行で: 「要件・候補者の事実・確かめた方法(面談・ポートフォリオ・公開されている成果物)」を並べます。書き方は推薦書の書き方。
- 数字は本人に確かめる: 「売上を2倍」などの数字は、期間・担当範囲・チームの人数を面談で聞いて書きます。
- 確かめていないことは書かない: 書類にあっても、確かめていないスキルは「本人の申告」と分けて書きます。
スキルは、どう確かめればいいですか?
面談での具体的な質問、公開されている成果物、本人の同意を得た照会の3つを組み合わせます。
- 面談で具体的に聞く: 「そのとき何を判断し、何が難しかったか」を聞くと、自分でやった仕事かどうかが分かりやすくなります。
- 公開されている成果物を見る: エンジニアなら公開されているコード、デザイナーならポートフォリオ、営業なら公開されている受賞歴など。
- 照会(リファレンスチェック)は本人の同意を得て: 前の職場などへの照会は、本人の同意を得て行います。個人情報の扱いは個人情報保護委員会のガイドラインを確かめてください。
- 適性と関係の無いことは聞かない: 本籍・家族・思想信条など、仕事の適性と関係の無い事柄は聞かない・書かない(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。
確かめた内容は、どう残せばいいですか?
候補者ごとの記録に、面談で確かめた事実と、確かめた方法を残します。次に別の案件で推薦するときも、一から確かめ直さずに済みます。
担当者が替わったときも、何を確かめ、何がまだ本人の申告のままかが分かれば、推薦の質を保てます。RPOで依頼元に候補者を出すときも同じです。
ChordOne Sourcingでの推薦
ChordOne Sourcingでは、保存した人・送った・返った・面談したの記録が候補者ごとに残ります。案件の評価基準に沿って根拠つきの推薦書を作り、匿名の推薦書として採用企業や依頼元に共有できます。いまは期間限定で、すべての機能が無料です。RPO・ソーシング代行の方へ
よくある質問
AIで書かれた職務経歴書は、評価を下げるべきですか?
AIで文章を整えること自体は、問題ではありません。大事なのは書かれている内容が本当かどうかで、それを面談や成果物で確かめるのが紹介会社の役割です。
リファレンスチェックは必ず必要ですか?
必須ではありません。行う場合は、本人の同意を得て、照会先と聞く内容を本人に伝えてから行います。個人情報の扱いは個人情報保護委員会のガイドラインを確かめてください。
海外の調査は、日本にも当てはまりますか?
調査は米国などの採用担当が対象で、日本の数字ではありません。ただし、生成AIで書類を整える人は日本でも増えており、推薦の根拠を面談で確かめる重要性は同じです。
参考資料
- TestGorilla「Recruiting in the AI Era 2026 Report」(米国の採用担当1,428人に調査)
- LinkedIn「Future of Talent Report 2026」(従業員1,000人超の企業の人事・採用責任者771人に調査、2026年6月)
- 公正な採用選考の基本(厚生労働省)
- 個人情報保護法ガイドライン(個人情報保護委員会)